
01 記録
| DECODE | ASMo b. 4 | Vestigia | 日付 | 判明したこと |
|---|---|---|---|---|
| R1128 | 1519–20 no. 1 | 1853 | 1519年3月9日 | 1519年の二層式暗号で7行、解読なし。未読。 |
| R1129–R1133 | nos. 3a–7a | 1855–1867 | 1519年4–5月 | 1882年の解読が 3b/3c … 7b/7c として綴じられている。当時読まれていた。 |
| R1134 | no. 8a | 1870 | 1519年6月12日 | 8b、8c。pp. 4–5 に行間書き込み。読解済み。 |
| R1135 | no. 10a | 1874 | 1519 | 葉上の行間注記と 10b。読解済み。 |
| R1136 | no. 11 | 1876 | 1520年3月8日 | 1520–21年の記号暗号で12行、解読なし。ここで一部読解。 |
| R1137 | Cistarelli no. 3 | 1904 | 1520年7月25日 | 数字暗号、2桁の群が584個。断片のみ。 |
| R1138 | 1520–21 no. 10 | 1919 | 1521年2月16日 | W. Somogyi が解読(2025年)。 |
| R1139 | no. 13 | 1922 | 1521年4月6日 | 紙片に記号暗号で9行。ここで一部読解。 |
同じ暗号は DECODE 外の1521年の文書一式にもある。2月16日の追伸の第2版(no. 11、Vestigia 1920)で、これも Somogyi が刊行している。また no. 12(1521年2月25日)の平文の中に語句が埋め込まれている。
02 鍵
1520–21年の暗号は、分かち書きのない創作記号の連なりである。φ、ψ、λ、÷、ss、ff、横線の入った b、十字付きの m と n、逆さの T、そのほか40ほど。ラベルは全部で49種、5つのテキストで計2,278記号あり、DECODE と Vestigia の画像から転写した。Somogyi はこれを同音異字(ホモフォニック)暗号と呼んでおり、実際そのとおりである。鍵は2段階で構築した。
- 5つのテキスト全体に対して暗号文のみのソルバー(焼きなまし法)を走らせ、16世紀イタリア語の n-gram モデルで評価した。得られた粗い鍵の段階で、すでにscritti、regno、signore、Ungariaが判別できた。
- その鍵を初期値として、転写を Somogyi の2つのテキストに対して単調整列(ギャップ付き Viterbi、安定するまで再推定)させた。714文字が整列し、整列の90%がその記号の多数派の値と一致する。
値:
a = q, T, ⊥ · c = φ, θ · d = ψ, r · e = y, ss · g = w, u · i = ƀ, ɔ, L · l = ff, n · m = z, Ħ · n = ÷, p · o = ɛ, 重ねた q/b, oσo · p = & とそのループ付き異体 · r = *, x · s = m+, n+ · t = h, f · u = λ, a
文字の間に単独で置かれた o は、たいてい冗字(ヌル)である。1か所では数字の 8 もそうである。
03 R1139、1521年4月6日(部分)
4月6日の書簡に貼り付けられた紙片。暗号が9行あり、その後に平文「Expettamo sino a S. Georgio…」が続く。鍵が確信をもって与える語句(グレード C):
Post: il custode … io scrissi … è tornato governator de[l] … ogni cosa … è tenuto Agria … in castello … la venuta … in Italia … li scritti … vedendo io … deli danari del suo … come mi disse … lui m’ha resposto dice de voler andar in Italia quando al dare … Milan … parlaremo a longo sopra ciò … per andar … el mi dirà …
これは Somogyi の論文にある遺産の案件である。エゲルの管理人(custode)と総督、「彼の金」(故司教の金)、そしてイタリアへ行きたいと言う人物。
第2パス(2026年9月30日)。解読文が読めない箇所ではすべて画像上で記号を確認し直し、鍵の記号出現数とイタリア語言語モデルから文字を提案して、記号と照合した。転写の誤りが3つ見つかった(custoの後の記号は幹の長いrで、したがってcustode。teneva perのループ付き記号はp。andataの記号は横線付きのp、すなわちn)。紙片の中央部は今では続けて読める(C は鍵がすべての文字を与える箇所、M は1、2個の記号に鍵の多数派に反する値を当てた箇所。[角括弧]は補ったもの):
… et cosi la venuta sua in Italia … li teneva per ferm[a] e andata in [v]ero; il che vedendo io, … li go fato moto deli danari del suo de[b]ito, come mi dise messere [Alfonso]. Lui m’ha resposto, dice [de] voler andar in Italia quando al dare … Milan … andiate; parlaremo a longo sopra ciò … danari in [p]resto(?) per andar[vene] … vedrò quel mi dirà, e il tuto reportarò a V. Ex.
「……そうして彼のイタリアへの来訪は……それを見て私は……messer Alfonso が私に言ったとおり、彼の負債の金について彼に話を持ち出した。彼は私に答えて、イタリアへ行きたいと言う……そのことについては長く話そう……彼が私に何と言うかを見て、すべてを閣下にご報告する。」Goはヴェネツィア・フェラーラ方言のgh’ò(私は持っている)、fato motoはfatto motto(言及した)である。名前はalponsoと暗号化されている。pと読んだ記号は他所で5回pなので、Alfonso(おそらくエゲルにいた枢機卿の代理人 Alfonso Cistarelli)はグレード M である。最初の3行(custode、総督、エゲル「in [o]fic[i]o」、「qualche cosa a le ma[n] di[l] custode」)と … で示した部分は、疑わしい記号がまだ多すぎて文にならない。行ごとの読み: targets/caprile1519/r1139_pass2.txt.
04 R1136、1520年3月8日(部分)
平文の書き出しの後に12行。Ippolito が最後にハンガリーを出国した日(1520年3月7日)の翌日に書かれた。グレード C と M:
e la susseguente matina … il custode … questo episcopato … il custode … governator … Lactantio … tesoro … in gran … conclusi … congrega[tione] … ogni episcopa[to] … in questo modo … poco spensi … Excellentia … al custode … de Ungaria sopra il suo … secondo … tornato … intendere … [s]pensier suo … tal debito
05 未解決のまま残るもの
- R1139 と R1136 の残り。転写は小さく詰まった記号を一度通しただけのもので、誤って転写された記号のために、引用した語句の間の文字の大半が誤っている。画像を改めて転写し、鍵と照合すれば、全文にかなり近づくだろう。機械的な解読結果は次にある:
decrypt21_raw.txt. - R1128(1519年3月9日)。試みたが解読できなかった。1519年の方式は、R1133 をその1882年の解読と突き合わせて解明した。各列は、基底記号の上に小さな記号を載せたもので、同音字を持つ平文1文字にあたる。「oratore」= L/7 -/n u/7 x/7 c/7 m/n -/a であり、c/7 = o、m/n = r、x/7 = t はページ全体で成り立つ。括弧状の L 記号はそれぞれ1語全体を表す。[d][s][&] の並びは、解読に「de vostra maesta」とある箇所で繰り返し現れる。1519年の書簡は、皇帝選挙についてフランス王に宛てた報告の写しである。R1128 の5分の1は符号語で、確実な文字の値は9つしかないため、言語モデルによる探索では読める結果が得られない。その平文部分と Caprile の次の書簡(「In un’altra mia ve mandai in zifra…」)から、内容がローマでの彼自身の訴訟に関するものだったとわかる。R1133 と、1882年の解読と対になる別の書簡を改めて丁寧に転写すれば、表を埋められるだろう。
- R1137(Cistarelli、1520年7月25日)。2桁の群で、ほぼすべてが 5 か 0 で終わり、ほかに83の記号があり、平文のイタリア語と混在している。暗号文のみの焼きなましで鍵の一部(e = 0, 25; a = 86; o = 70; i = 45; t = 95; r = 85; s = 90; n = 65)と、「lettere per」「presto」「saria meglio」「non se poteria」「dua milla」などの語句(グレード M)が定まる。これらの断片は解読とは言えない。
06 出典
- Archivio di Stato di Modena, Archivio Segreto Estense, Cancelleria, Carteggio ambasciatori, Ungheria b. 4。画像は DECODE R1128–R1139(ログイン)および Vestigia(vestigia.hu)経由、項目 1853–1876 および 1904–1922。
- ASMo の目録、Carteggio ambasciatori, Ungheria(PDF)、1882年の解読について。
- Judit W. Somogyi, “Estei Hippolit püspöki hagyatéka Giuliano Caprili magyarországi leveleinek tükrében”, Scriptorium VI (2025) 247–264(REAL), n. 50:クリブとして用いた1521年2月16日の追伸の解読。
転写、鍵、整列スクリプト、メモ:リポジトリの targets/caprile1519/。