日本語訳 · 原著 Daniel Bourdeau『Unsolved Historical Ciphers』は CC BY 4.0 で公開されている。本ページは JIC による翻訳で、原著者の公式版ではない。訳文に相違がある場合は英語原文が優先する · 英語原文を見る ↗
L ff 8 φ λ n+ f oσo ψ y
i l · c u s t o d e
φ = c · λ = u · n+ = s · ψ = d · y = e · ÷ = n

エゲルおよびブダ → フェラーラ · 図形記号による同音異字(ホモフォニック)暗号、数字暗号 · 1519–1521年

エゲルの Giuliano Caprile と Alfonso Cistarelli、1519–1521年

Archivio di Stato di Modena, Ambasciatori, Ungheria b. 4(DECODE R1128–R1139):エゲル司教である枢機卿 Ippolito d’Este の2人の代理人が、公爵秘書官 Bonaventura Pistofilo とアルフォンソ1世公に宛てた暗号書簡。

カタログ項目157と158。書簡の大半にはすでに解読があり、1882年に作られたものか、2025年に刊行されたものである。1520–21年の暗号の鍵は、その暗号文を2025年の解読と整列させることでここで再構築した。解読が見つからなかった2通の書簡に適用すると、全文ではなく語句が得られる。さらに2点が未解決のまま残る。

Daniel Bourdeau · 投稿 · 更新

手法:外部平文から鍵を復元 · 範囲:部分(暗号の30%)

概要。カタログには、エゲルの参事会員で Ippolito d’Este の秘書であった Giuliano Caprile について7件、1520年にエゲルにいた枢機卿の代理人 Alfonso Cistarelli について1件の DECODE 記録が載っており、いずれも「一部解読済み」とされていた。ハンガリーの研究データベース Vestigia は Caprile の文書一式をすべて収めている。それによると、1519年の書簡は1882年に解読されていた。モデナの目録には解読が「1882年になってようやく作成された」とあり、解読はそれぞれの暗号原本の後に項目「b」「c」として綴じられている。1通は行間に解読が書き込まれている。1521年2月16日の追伸(R1138)は2025年に Judit W. Somogyi が解読した。彼女の刊行した2つのテキストは、1520–21年の図形記号暗号に対して約700文字のクリブとなった。記号の転写と整列させると、同音異字(ホモフォニック)の鍵が得られる。その鍵は、解読が見つからなかった2通の書簡、R1139(1521年4月6日)と R1136(1520年3月8日)の語句を解読する。どちらもエゲル司教座と Ippolito の遺産、すなわちcustode、総督、金銭と負債に関わる。2点が未解決のまま残る。R1128(1519年3月)は別の暗号で書かれ、ローマでの Caprile 自身の訴訟に関するものである。Cistarelli の数字暗号(R1137)は、暗号文のみの探索では語句しか与えない。
貼り付けられた紙片に並ぶ創作記号の行
R1139、1521年4月6日の紙片、図形記号の暗号。語句はここで解読したもので、先行する解読は見つからなかった。画像:Archivio di Stato di Modena, Ambasciatori, Ungheria b. 4、DECODE R1139 経由。

01 記録

DECODEASMo b. 4Vestigia日付判明したこと
R11281519–20 no. 118531519年3月9日1519年の二層式暗号で7行、解読なし。未読。
R1129–R1133nos. 3a–7a1855–18671519年4–5月1882年の解読が 3b/3c … 7b/7c として綴じられている。当時読まれていた。
R1134no. 8a18701519年6月12日8b、8c。pp. 4–5 に行間書き込み。読解済み。
R1135no. 10a18741519葉上の行間注記と 10b。読解済み。
R1136no. 1118761520年3月8日1520–21年の記号暗号で12行、解読なし。ここで一部読解。
R1137Cistarelli no. 319041520年7月25日数字暗号、2桁の群が584個。断片のみ。
R11381520–21 no. 1019191521年2月16日W. Somogyi が解読(2025年)。
R1139no. 1319221521年4月6日紙片に記号暗号で9行。ここで一部読解。

同じ暗号は DECODE 外の1521年の文書一式にもある。2月16日の追伸の第2版(no. 11、Vestigia 1920)で、これも Somogyi が刊行している。また no. 12(1521年2月25日)の平文の中に語句が埋め込まれている。

02 鍵

1520–21年の暗号は、分かち書きのない創作記号の連なりである。φ、ψ、λ、÷、ss、ff、横線の入った b、十字付きの m と n、逆さの T、そのほか40ほど。ラベルは全部で49種、5つのテキストで計2,278記号あり、DECODE と Vestigia の画像から転写した。Somogyi はこれを同音異字(ホモフォニック)暗号と呼んでおり、実際そのとおりである。鍵は2段階で構築した。

  1. 5つのテキスト全体に対して暗号文のみのソルバー(焼きなまし法)を走らせ、16世紀イタリア語の n-gram モデルで評価した。得られた粗い鍵の段階で、すでにscritti、regno、signore、Ungariaが判別できた。
  2. その鍵を初期値として、転写を Somogyi の2つのテキストに対して単調整列(ギャップ付き Viterbi、安定するまで再推定)させた。714文字が整列し、整列の90%がその記号の多数派の値と一致する。

値:

a = q, T, ⊥ · c = φ, θ · d = ψ, r · e = y, ss · g = w, u · i = ƀ, ɔ, L · l = ff, n · m = z, Ħ · n = ÷, p · o = ɛ, 重ねた q/b, oσo · p = & とそのループ付き異体 · r = *, x · s = m+, n+ · t = h, f · u = λ, a

文字の間に単独で置かれた o は、たいてい冗字(ヌル)である。1か所では数字の 8 もそうである。

03 R1139、1521年4月6日(部分)

4月6日の書簡に貼り付けられた紙片。暗号が9行あり、その後に平文「Expettamo sino a S. Georgio…」が続く。鍵が確信をもって与える語句(グレード C):

Post: il custode … io scrissi … è tornato governator de[l] … ogni cosa … è tenuto Agria … in castello … la venuta … in Italia … li scritti … vedendo io … deli danari del suo … come mi disse … lui m’ha resposto dice de voler andar in Italia quando al dare … Milan … parlaremo a longo sopra ciò … per andar … el mi dirà …

これは Somogyi の論文にある遺産の案件である。エゲルの管理人(custode)と総督、「彼の金」(故司教の金)、そしてイタリアへ行きたいと言う人物。

第2パス(2026年9月30日)。解読文が読めない箇所ではすべて画像上で記号を確認し直し、鍵の記号出現数とイタリア語言語モデルから文字を提案して、記号と照合した。転写の誤りが3つ見つかった(custoの後の記号は幹の長いrで、したがってcustode。teneva perのループ付き記号はp。andataの記号は横線付きのp、すなわちn)。紙片の中央部は今では続けて読める(C は鍵がすべての文字を与える箇所、M は1、2個の記号に鍵の多数派に反する値を当てた箇所。[角括弧]は補ったもの):

… et cosi la venuta sua in Italia … li teneva per ferm[a] e andata in [v]ero; il che vedendo io, … li go fato moto deli danari del suo de[b]ito, come mi dise messere [Alfonso]. Lui m’ha resposto, dice [de] voler andar in Italia quando al dare … Milan … andiate; parlaremo a longo sopra ciò … danari in [p]resto(?) per andar[vene] … vedrò quel mi dirà, e il tuto reportarò a V. Ex.

「……そうして彼のイタリアへの来訪は……それを見て私は……messer Alfonso が私に言ったとおり、彼の負債の金について彼に話を持ち出した。彼は私に答えて、イタリアへ行きたいと言う……そのことについては長く話そう……彼が私に何と言うかを見て、すべてを閣下にご報告する。」Goはヴェネツィア・フェラーラ方言のgh’ò(私は持っている)、fato motoはfatto motto(言及した)である。名前はalponsoと暗号化されている。pと読んだ記号は他所で5回pなので、Alfonso(おそらくエゲルにいた枢機卿の代理人 Alfonso Cistarelli)はグレード M である。最初の3行(custode、総督、エゲル「in [o]fic[i]o」、「qualche cosa a le ma[n] di[l] custode」)と … で示した部分は、疑わしい記号がまだ多すぎて文にならない。行ごとの読み: targets/caprile1519/r1139_pass2.txt.

04 R1136、1520年3月8日(部分)

平文の書き出しの後に12行。Ippolito が最後にハンガリーを出国した日(1520年3月7日)の翌日に書かれた。グレード C と M:

e la susseguente matina … il custode … questo episcopato … il custode … governator … Lactantio … tesoro … in gran … conclusi … congrega[tione] … ogni episcopa[to] … in questo modo … poco spensi … Excellentia … al custode … de Ungaria sopra il suo … secondo … tornato … intendere … [s]pensier suo … tal debito

05 未解決のまま残るもの

06 出典

転写、鍵、整列スクリプト、メモ:リポジトリの targets/caprile1519/。