日本語訳 · 原著 Daniel Bourdeau『Unsolved Historical Ciphers』は CC BY 4.0 で公開されている。本ページは JIC による翻訳で、原著者の公式版ではない。訳文に相違がある場合は英語原文が優先する · 英語原文を見る ↗
44 26 03 07 02 62 8 · 58 6 52 4 62 4 · 28 06 2 66 36 68 4 42 05 07 03 6 96 96 2 → fortuna · come ne · auiso del strozzi
a = 28|38|8 · e = 24|34|4 · o = 26|36|6 · t = 07|76|86 · 1 = null

フランス → ローマ · 1桁と2桁の数字による同音異字(ホモフォニック)暗号、ノーメンクレーター付き · 1553年3月–12月

Prospero Santa Croce から枢機卿 del Monte へ、1553年:5通の暗号急報、到着時に解読され、1972年に刊行

Prospero Santa Croce
差出人Prospero Santa Croce

ASV Segreteria di Stato, Nunziatura di Francia 3, ff. 117, 128, 230, 248, 263(DECODE R6–R10、カタログ項目 245)。DECODE はこれらを「partially decrypted」とし、巻の最初の日付である1552年7月28日の日付を付けている。

5通とも到着時にローマで解読され、その decifrati が一緒に綴じられている。Lestocquoy は1972年に、暗号の箇所を解読した形でこれらの書簡を刊行した。確認のため、George Lasry の鍵を転写に適用した。Lestocquoy が省いた唯一の箇所、R9 の抹消された3行の暗号は、同じ鍵で解読した。

Daniel Bourdeau · 投稿 · 更新

方法:既存の解読から読解 · 範囲:完全

要約。カタログ項目245は、フランス駐在の教皇大使 Prospero Santa Croce がローマの枢機卿 Innocenzo del Monte に送った暗号急報の DECODE 記録5件で、「暗号が何を隠しているかは不明」とされていた。そのどれもが到着時に解読されていた。巻には decifrati が収められており、J. Lestocquoy の Correspondance du nonce en France Prospero Santa Croce (1552–1554)(Acta Nuntiaturae Gallicae 9, 1972)は5通すべてを、暗号をすでに解読した形で収録している。George Lasry は2020年10月、DECODE の各記録にその刊本のスキャンと、彼が再構成した書簡の鍵を添付した。ここでの書簡は1553年3月26日から12月23日にわたり、1552年のものではない。Lasry の鍵を2016年のボランティアによる転写に適用すると、転写がきれいなところではどこでも解読結果が刊行テキストと一致する。1箇所だけ本にない部分がある。1553年12月14日の書簡の下にある、×印で抹消された3行の暗号である。鍵で解読すると、それは秘書がその下に平文で書き直した追伸そのものである。コルシカへ向けて出帆した王の艦隊が嵐に遭い、その所在は誰にもわからず、Piero Strozzi からの知らせもない、という内容である。5件の記録のあらゆる実質的な箇所に解読がある。符号群には値を与えていない。刊本がそれらの表す語を示しているからである。

01 文書

5件の記録は、Santa Croce の最初のフランス駐在期の葉である。いずれも、平文のイタリア語の書簡が、微妙な箇所で数字に切り替わる。

DECODE丁文字Lestocquoy 1972 での位置
R6117r–vポワシー、1553年3月26日。解読は fol. 118vno. 67, p. 157
R7128r–vポワシー、1553年4月5日。解読は fol. 129–130vno. 71, pp. 162–163
R8230rAbbaye d’Ourscamp、1553年9月28日no. 112, p. 218
R9248r(スタンプでは 256)パリ、1553年12月14日(刊本は別の丁付けで fol. 254–258v としている)no. 124, p. 240。抹消された暗号は収録されていない
R10263rパリ、1553年12月23日の第二の書簡pp. 243–244

02 暗号

記録に添付された Lasry の再構成は、1桁と2桁の要素からなる同音異字アルファベットである。a = 28、38、8。e = 24、34、4。i = 2、22、32。o = 26、36、6。t = 07、76、86。u = 02、04、06、08。r = 03、56。s = 05、66。その他の文字には単一の値(b 48、c 58、d 68、f 44、g 54、h 64、l 42、m 52、n 62、p 46、z 96)。数字 1 は冗字(ヌル)で、大部分は語の間に置かれる。人名やよく使う語の符号群は点の付いた数字で始まる。要素の境界は示されていないので、2 2 8 のような連なりは何通りにも分けられる。リポジトリのデコーダーは、16世紀イタリア語の言語モデルで分割を決める。

03 刊行された書簡の確認

R6、R7、R8、R10 についてはテキストは Lestocquoy のものであり、解読結果はそれを裏づける。たとえば R6 は「ci è maneggio stretto col [duca di Ferrara], non so se sia per haver denari con promesse di mercanti et avvantaggio d’esso Duca o pur per qualche lega o per haver artigliaria con la scusa che ha usato il [duca di Firenze] a Siena」と解読される。これは p. 157 のテキストと一語一語同じである。R8 の「Il Re Chr.mo resta mal contento dell’impresa di Corsica … credo che si risolverà di mantenerla」は、p. 218 とも、葉の行間解読とも一致する。R7(「generale supremo di Italia con vinti mila scudi」としてのフェラーラ、ナポリの企て)と R10(「Molti persuadeno S.M. di havere a far guerra in Italia」)は pp. 162–163 と 244 に一致する。

04 R9:取り消された追伸

f. 248r の末尾:×印で抹消された3行の暗号数字、その下に平文で書かれたイタリア語の追伸と Santa Croce の署名
f. 248r(R9)、パリ、1553年12月14日。抹消された3行の暗号と、その下に平文で書かれた同じ追伸:「L’armata regia che partì per Corsica ha havuto fortuna et non si sa come né dove sia et non credo ci sia aviso del Strozzi」。画像:Archivio Apostolico Vaticano, Segreteria di Stato, Nunziatura di Francia 3 f. 248r, DECODE R9 経由。

Lestocquoy は12月14日の書簡とその平文の追伸(p. 240)を収めているが、追伸の上の抹消された数字は収めていない。数字を抹消線越しに転写し、鍵で解読した。長い区間が追伸と一致する。

つまり、取り消された暗号は追伸そのものである。l’armata regia che partì per Corsica ha havuto fortuna et non si sa come né dove sia et non credo che ci sia aviso del Strozzi。訳すと、コルシカへ向けて出発した王の艦隊は嵐に遭い、どうなったのか、どこにいるのか誰にもわからず、Strozzi についての知らせもないと思う、となる。秘書はこれを暗号化しかけてやめ、数字を消して文を平文で書いたのである。

05 不確かなまま残る点

06 出典

メモ、デコーダー、R9 の解読:targets/santacroce1552/。