日本語訳 · 原著 Daniel Bourdeau『Unsolved Historical Ciphers』は CC BY 4.0 で公開されている。本ページは JIC による翻訳で、原著者の公式版ではない。訳文に相違がある場合は英語原文が優先する · 英語原文を見る ↗
F x 5 d 3 y w M & # 7 q 4 n 9 8 3 M p l 4 x @ v 4 x L m 7 p· s a l u t e m et o m n e b o n u m i l l u s t r i s s i m iw = e · x = s · 3 = u · v = r · y = t · q = n · 5 = a · 2o = et/und

ブダ → ミュンヘン · 図形記号による同音異字暗号 · 1534年2月

ハンガリー王ヤーノシュとブダの代理人からバイエルン公たちへ、1534年2月

サポヤイ・ヤーノシュ
差出人サポヤイ・ヤーノシュ
バイエルン公ヴィルヘルム4世
宛先バイエルン公ヴィルヘルム4世

Bayerisches Hauptstaatsarchiv, Kurbayern Äußeres Archiv 4591, ff. 248 and 250–251(DECODE R9411、R9412、カタログ163)。DECODEはどちらも、Cornelio Sperantioから不明の受取人への書簡としている。実際にはバイエルン公たちに宛てた書簡で、Sperantio宛ての封筒に入れて送られたものである。

鍵は隣接平文から復元した。ラテン語の書簡には全行の上に同時代の行間解読があり、それを転写して確認した(語の96%)。解読の付いていないドイツ語の書簡にこの鍵を適用すると、語の95%、編者の補いを除けば89%が得られる。これは、同じ巻のR9415のためにここで以前復元した鍵と同じである。どちらの書簡も刊本には見つからなかった。

Daniel Bourdeau · 投稿 · 更新

手法:隣接平文から鍵を復元 · 範囲:部分(暗号の92%)

要約。カタログ項目は、バイエルンの暗号鍵を集めた巻にあるDECODEの2件の記録“Cornelio Sperantio to …”で、部分解読、5ページとされていた。f. 251vの封筒には“Cornelio Sperantio etc. domino observandissimo”とある。ブダにいた公たちの手の者Sperantioが、この包みを受け取ったのである。R9411は、ハンガリー王サポヤイ・ヤーノシュがバイエルン公たちに宛てた1534年2月6日付ブダ発のラテン語書簡で、ハンガリーの金銀鉱山と、彼の家臣Nicolaus Freibergerについて述べている。全行の上に同時代の行間解読があり、その注記の値に縛ったソルバー(焼きなまし法)で鍵を確定し、書簡の語の96%を解読した。同じ鍵をドイツ語用に調整し直すと、R9412の語の95%が解読される(暗号から得られるものだけを数え、編者の補いを除くと89%)。R9412は1534年2月8日付のブダからの情報書簡で、Stephan Werbőczyのオスマン宮廷への使節行とトルコとの恒久和平について伝えている。この鍵は、1533年4月のヤーノシュ王側から公たちへの書簡R9415のためにこのプロジェクトで再構成した鍵と記号ごとに一致するので、SperantioのファイルとR9415は同じ通信に属する。2つのセッションが同じ日に独立してこの対象に取り組み、ここで統合した。未解決のまま残るのは判読不能な部分である。R9412のにじんだ記号と5つの名前、R9411の13か所の短い欠落である。

01 文書と鍵

記録丁日付言語内容状態
R9411248r–vブダ、1534年2月6日ラテン語ハンガリー王ヤーノシュ(サポヤイ)からバイエルン公たちへ。同時代の行間解読付き読解済み、語の96%
R9412250r–251r、封筒251vOfen(ブダ)、[1534年]2月8日ドイツ語、ラテン語の箇所は平文ブダの代理人からバイエルン公へ、Cornelio Sperantio宛ての封筒に入れて部分的に読解、95.0%(補いを除くと89%)

暗号は、この巻の図形記号の集合(↓ ω π 4 8 ÿ …)による同音異字換字で、語の区切りなしに書かれ、平文のラテン語の箇所が暗号の中にそのまま残されている(“Ceterum”、“Misimus nunc”、“Et primo” … “Quarto”)。主な値:w/4 e、q n、v r、x/L s、5 a、3 u、y t、7 m、m i、c c、9 o、d l、6 d、8 n、D f、A b、K rr、Y ll。いくつかの記号は多音字で(π b/w/o、4 e/i、∃ d/ch、u/v/k/gを表す二重の縦線)、いくつかは文字対や語を表す。2oはラテン語ではet、ドイツ語ではund、oo = qu、r+ = sch、a+ = derである。二重コロンの前の‡は段落の冗字(ヌル)である。

R9415(1533年4月18日)のためにkaa4591bで再構成した鍵と照合すると、共通の記号はすべて一致する(w e、x s、3 u、v r、y t、q n、5 a、7 m、9 o、8 n、d l、6 d、D f、c c)。一方のセッションはR9411の注記から鍵を見つけ、もう一方は注記を使わずにR9415の鍵をそのまま適用して、R9411で91%に達した。2つの道筋が互いを裏づけている。

02 R9411:ヤーノシュ王から公たちへ、ブダ、1534年2月6日

解読(targets/sperantio1534/r9411/reading_r9411.txt)から、ラテン語原文のまま、欠落は[…]で示す:

Salutem et omne bonum. Illustrissimi principes domini ac fratres carissimi. Accepimus literas Vestre et ea quae […] etiam intelleximus quae […] secretarium suum scripserunt. Vestre ita sibi persuadere velint, quidquid nos in rem commodum et dignitatem earum et fratrum atque amicorum suorum id facere possumus, id semper libentissimo animo facturi sumus. […] videtur tamen esse res communicanda cum illustri domino regni nostri gubernatore, qui propediem hic apud nos futurus est. Videtur enim nobis esse satius de hac re capere consilium ipsius quam si ex abrupto apud potentissimum Turcarum imperatorem rem tentaremus. … Ceterum Vestre medio magnifici […] capitanei et consiliarii nostri … ex parte minerarum auri, argenti et aliorum metallorum, quae res nobis vehementissime fuit cordi, … cum Dei auxilio rem aggredi. … Misimus nunc hunc servitorem nostrum Nicolaum Freeberger ad Vestras … Bude sexta Februarii, anno etc. xxxiiii.

大意:ヤーノシュ王は、兄弟と呼びかける公たちのためにできることは何でもするという。公たちの要請はまず王国の総督(Lodovico Gritti)に回さねばならない。総督は近く到着する予定で、いきなりトルコ皇帝にこの件を持ち込むよりは、彼の助言を得るほうがよい。敵対者たちが広めている知らせは偽りである。王は自らの隊長兼顧問を通じて、金、銀その他の鉱山に着手した。これは王がきわめて心にかけている事柄である。王は家臣Nicolaus Freibergerを公たちのもとへ送り、そうした鉱山の経営を引き受けるよう誘い、その道に熟練した親方を求める。追伸では、バイエルンの鉱山条例(“ordinacionem rerum montanarum”)を確かな使者で送るよう求めている。

03 R9412:ブダからの情報書簡、1534年2月8日

ドイツ語、注記なし。書き手が12月22日に不確かな使者に託して送った内容を繰り返すところから始まる。1行目のその日付は前の書簡のもので、この書簡の日付は末尾に“Datum Ofen, des achten Februarii”とある。解読(targets/sperantio1534/r9411/reading_r9412.txt。[…]は未解読、波括弧は意味からの補い、大文字は紙面上の平文)から:

wie erstlich, was der canczler herr Stephan Werbeczi bei dem Turcken hab ausgericht. ET PRIMO: so hat er dem Ungerland mit dem Turcken einen ewigen frid gemacht und angestossen. SECUNDO: das alle stett und flecken … als nemlich Peterwardein und […], mit Titil, Salmaulack {Salankamen} … TERTIO: … die zwitrachten, als von wegen des titels der kunig … QUARTO: … SED TAMEN PER MAXIMOS SUOS CONATUS NIHIL ALIUD IMPETRARE POTUIT QUAM ILLUD QUOD …

大法官Stephan Werbőczyは、オスマン宮廷でハンガリーとトルコの恒久和平を取りつけた。ドナウ沿いの地名が挙げられている。Peterwardein(Petrovaradin)、Titel、Salankamenである。王たちの称号と国境の町々をめぐる争いは解決されることになっており、書き手はスルタンの書簡の写しを送った。続いてトランシルヴァニアと鉱山に対する計画が述べられる。Fridrich Schmalczは鉱山事業の長におさまり、鉱業に熟練した者たちをペストへ送っている。ニュルンベルクにいる彼の代理人の名が挙がり、ウィーンの“herr Caesar”も挙がる。ある司教が平文のラテン語で公に挨拶を送っている。b/wとd/tの組は記号を共有しているので、“beczi”はWerbecziである。

04 手法

05 不確かなまま残る点

06 出典

転写、鍵、解読、両セッションの作業ファイル:リポジトリのtargets/sperantio1534/。