日本語訳 · 原著 Daniel Bourdeau『Unsolved Historical Ciphers』は CC BY 4.0 で公開されている。本ページは JIC による翻訳で、原著者の公式版ではない。訳文に相違がある場合は英語原文が優先する · 英語原文を見る ↗
Glascoe Davison longeth to heare from Lyons [9] · one should come from Roome [9] · [9] = 偽名の標識

ウェストミンスター → パリ · 偽名の標識を伴う平文の手紙 · 1572/3年1月24日

BurghleyからWalsinghamへ、1573年1月24日、Walsinghamのパリの書簡控え帳より

ウィリアム・セシル
差出人William Cecil
フランシス・ウォルシンガム
宛先フランシス・ウォルシンガム

BL Harley MS 260 f. 395r(DECODE R8362)、「W. Baurleighs? to unknown recipient, 27 Jan 1572」として掲載。このページは、William Cecil(Burghley卿)からフランス駐在大使Sir Francis Walsinghamへの手紙の清書である。手紙は平文の英語で、1655年にDudley Diggesが刊行した。暗号文はなく、偽名の後に枠で囲まれた標識が二つあるだけなので、解読すべきものは何もない。

Daniel Bourdeau · 投稿 · 更新

方法:暗号ではない

要約。DECODEはR8362を、「W. Baurleighs?」から不明の受取人への1ページの暗号化された手紙、1572年1月27日付、「short parts encrypted only」として載せている。画像はHarley MS 260のf. 395rで、Walsinghamのフランス大使館の後の清書版書簡控え帳である。「Your assured frind William Baurleighe」と署名されており、これは写字生によるBurghleyの綴りである。日付は「from Westm the 24th of Januarie 1572」で、現代の暦では1573年1月24日にあたる。Dudley DiggesがThe Compleat Ambassador(1655年)で刊行した。このページには文字暗号も符号数字もない。枠で囲まれた9が二つ、「Lyons」の後と「Roome」の後にあるだけである。この巻のほかの手紙では、語の後の枠はその語が偽名、つまり人物を表す地名であることを示し、枠の中の数字はさまざまである。手紙全体が平文であり、解読すべきものは何もない。偽名LyonsとRoomeが誰を指すのかは、書簡控え帳にも、Diggesにも、Calendarsにもどこにも述べられていない。

01 記録の正体

ページには柱として「Januarie 1572」がある。手紙は登録簿のほかの部分と同じ筆跡で写されており、送られた手紙そのものではなく書簡控え帳の写しである。DECODEは二つの読み誤りをしている。ページには「24th」とあるのに日を27と読み、登録簿がWalsinghamのものであるにもかかわらず受取人を不明とした。ページ下部の宛名「To my verie …」はページの端で切れている。

セクレタリー体の4行:Glascoe Davison longeth to heare from Lyons、枠で囲まれた9、for that by your last tickett、そして枠で囲まれた9を伴うRoome
Harley MS 260 f. 395r:「Glascoe Davison longeth to heare from Lyons [9] for that by your last tickett … one should come from Roome [9]」。画像:British Library, Harley MS 260 f. 395r, via DECODE R8362.

02 手紙

Burghleyは、Walsingham自身の件、つまりフランスからの召還を決着させるものをまだ何も送れないことを「sorie and ashamed」と書いている。彼はそのために尽力し続けると約束する。Worcester卿の旅の知らせは国務卿に任せる。それから偽名の件に移る:

Glascoe Davison longeth to heare from Lyons [9] for that by your last tickett, I understand that Steward tould you that one should come from Roome [9], the shipp abode in the place appointed the space of 23 daies. And soe I end, trusting to see you here amongst your frinds within this sixe weekes at the leaste to bee revoked by that tyme. From Westm the 24th of Januarie 1572. Your assured frind William Baurleighe.

「Tickett」とは、Walsinghamが秘密の知らせを送るのに用いた別紙のことである。船、Steward、Glasgow、Rome/Florenceの一派をめぐる同じ企ては、この巻の1572年11月と1573年2月の手紙(R8361、R8364)にも通して現れる。

03 枠で囲まれた9が暗号でない理由

Diggesが刊行したHarley 260の手紙では、枠で囲まれた数字が地名の直後に現れる:Florence [9]、Rome [9]、Glasgow [7]、そして1573年2月には「Glasco [9]」と「Glasco [g]」の両方。同じ偽名に異なる数字が付くので、数字は値を符号化していない。枠はその前の語が人物の偽名であることを示している。R8362では二つの枠がどちらも地名LyonsとRoomeの後にあり、文は枠がなくても意味が通る。これで両方の印が説明でき、ページにはほかに印はない。

04 残る課題

05 出典

注、転写、プロファイル:targets/r8362/。